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2026-06-26

一人社長の役員報酬、毎月の手取り計算をわかりやすく解説

一人社長が役員報酬から実際に受け取る手取り額の計算方法を初心者向けに解説。社会保険料・源泉所得税・住民税の仕組みと計算手順をまとめました。

役員報酬と手取り額とは

法人を設立して一人社長になると、自分への給与は「役員報酬」として会社から支払う形になります。しかし、毎月の役員報酬がそのまま手元に入るわけではありません。

役員報酬からは以下の3つが天引きされ、残った金額が銀行に振り込まれます。

  1. 社会保険料(健康保険 + 厚生年金の本人負担分)
  2. 源泉所得税
  3. 住民税(特別徴収)

「役員報酬を30万円に設定したのに、振込額が23万円だった」というのはよくある話で、初めて法人を設立した方が驚くポイントのひとつです。この記事では、それぞれの控除項目の仕組みと、手取り額の計算方法を順番に解説します。

控除項目①:社会保険料(本人負担分)

社会保険の仕組み

法人を設立すると、役員(社長自身も含む)は社会保険(健康保険・厚生年金)に強制加入となります。個人事業主のときに加入していた国民健康保険・国民年金とは別の制度です。

社会保険料は会社と本人が折半して負担します。つまり、同じ金額を会社も負担しています。

保険料率(2026年度・協会けんぽ・東京都の場合)

種類 本人負担率 会社負担率 合計
健康保険料 4.985% 4.985% 9.97%
厚生年金保険料 9.15% 9.15% 18.3%
合計 14.135% 14.135% 28.27%

※ 健康保険料は都道府県・加入組合によって異なります。40歳以上は介護保険料も加算されます。

計算例

役員報酬 300,000円 の場合:

※ 実際の保険料は「標準報酬月額」という区分に基づいて計算されるため、端数の出方が異なることがあります。

控除項目②:源泉所得税

給与所得の源泉徴収

役員報酬は「給与所得」として扱われるため、毎月の支払い時に所得税が源泉徴収されます。フリーランスへの報酬と異なり、**「給与所得の源泉徴収税額表」**を使って計算します。

税額は「役員報酬 − 社会保険料(本人負担分)」の金額と扶養家族の人数をもとに国税庁の税額表で決まります。

計算例

役員報酬 300,000円、社会保険料控除後の金額 257,595円、扶養なしの場合:

※ 税額は年度・扶養人数によって変わります。正確な金額は国税庁の源泉徴収税額表でご確認ください。

控除項目③:住民税(特別徴収)

住民税とは

住民税は、前年の所得をもとに計算された税金で、6月〜翌5月の12回に分けて毎月給与から天引きされます(特別徴収)。

注意点は、住民税は前年の所得に基づくという点です。

金額の確認方法

毎年5月〜6月頃に自治体から「特別徴収税額通知書」が届きます。そこに6月から翌5月までの各月の住民税額が記載されているので、その金額を毎月天引きします。

計算例

前年の役員報酬が 300万円(年間)だった場合の住民税の目安:

手取り額の計算(まとめ)

役員報酬300,000円、扶養なし、住民税10,000円の場合:

項目 金額
役員報酬 300,000円
− 健康保険料(本人) − 14,955円
− 厚生年金保険料(本人) − 27,450円
− 源泉所得税 − 5,460円
− 住民税 − 10,000円
手取り額(振込額) 242,135円

30万円の役員報酬に対して、手取りは約24.2万円。控除合計は約57,865円(約19%)になります。

役員報酬の設定で注意すること

年に1度しか変更できない

役員報酬は事業年度開始から3ヶ月以内に決定し、原則として年度内は変更できません(定期同額給与の要件)。途中で変更すると、法人税の計算上、役員報酬として認められなくなる可能性があります。

設定の際は、手取り額を試算した上で無理のない金額を決めることが重要です。

社会保険料は会社も負担する

役員報酬から天引きされる社会保険料は本人負担分だけですが、会社(法人)も同額を負担しています。役員報酬300,000円の場合、会社側の社会保険料負担も約42,000円発生します。

つまり、会社から見ると「役員報酬300,000円 + 会社負担の社会保険料42,000円 = 合計342,000円」が実質的なコストになります。役員報酬の金額を決める際は、この点も考慮に入れましょう。

よくある疑問

Q. 役員報酬ゼロにしても大丈夫?

法的には問題ありません。ただし、役員報酬がゼロの場合は社会保険料も発生しません(厚生年金を将来受け取れなくなる)。また、所得がゼロになるため住宅ローンや各種ローンの審査に影響する場合があります。

Q. 毎月の計算は自分でやる必要がある?

税理士や社労士に顧問を依頼している場合は計算・納付の管理をお任せできます。自分で行う場合は計算ツールを活用するのが便利です。

まとめ

役員報酬から天引きされる主な項目は以下の3つです。

これらを合計すると、役員報酬の15〜25%程度が控除されるのが一般的です。

毎月の手取り額・振込額の計算は、さくシスのフリーランス計算ツールで簡単に確認できます。役員報酬の金額を入力するだけで、各控除額と手取り額を自動で計算できます。